ピクシブ文芸
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名文を真似る

近藤勝重


今回は、村上春樹氏の文章を参考に比喩表現をもっと押し広げて考えてみたいと思います。 例えば「平和」ですが、みなさんならどう例えますか。あるいはどう言い換えますか。ここで「平和」を選んだのには、理由があります。 昔は「原子力の平和利用」、今なら集団的自衛権を認める安保法制とともに使われだした「積極的平和主義」といったところに出てくる「平和」は、はてさて本当に本来の平和を意味するのか。単に「平和 …

村上春樹氏のような比喩表現を習得したい。そんな願いに少しでも応えられれば、と前回の「名文を真似る」は「村上春樹氏に学ぶ比喩表現 その1」と題し、村上春樹氏ならではの表現例を紹介しました。ですが、比喩についての理解は深まったとしても、実際に文章にするのは容易ではありません。そこで今回は実践面で役立つ比喩についての文章法をいろいろ考えてみました。 谷川俊太郎氏の『詩ってなんだろう』に収められてい …

ノーベル賞晩餐会でのボブ・ディラン氏の文学賞受賞スピーチ(代読)を新聞で全文読みました。いいなあと思ったのは、「一つだけ言わせてください」と断って続けたこのくだりです。    これまで演奏家として5万人を前に演奏したこともあれば、50人のために演奏したこともあります。しかし50人に演奏する方がより難しい。5万人は「一つの人格」に見えますが、50人はそうではありません。一人一人が個別のアイデンテ …

藤沢周平に学ぶ、文末の表現 「……ようだった」「……らしかった」
 前回、藤沢周平氏が描く、“濡れ場”を紹介しました。江戸市井もの(世話物)の名作『海鳴り』から引いたのですが、ちっともいやらしくないんですよね、と知人の女性から感想を頂きました。そうなんです。そこが藤沢作品に漂う気品でして、多くの女性ファンがついたのも、登場する女性のたおやかさに魅了されたからではないでしょうか。  いま、ぼくの手元に『オール讀物』(平成22年7月号)があります。藤沢周平記念館が …

藤沢周平に学ぶ「濡れ場」の描写
 村上春樹氏は『村上さんのところ』で読者の質問(メール)にこんなコメントをしています。 「僕は一時期、藤沢周平さんの小説にはまりました。ずいぶん読みましたよ。面白いし、文章もうまいし。戦後の日本の小説家の中では、安岡章太郎さんと並んで、いちばん文章のうまい人じゃないかな」  村上作品とはまるでジャンルの違うところから挙がった名に戸惑いを覚える方もいらっしゃるでしょうね。藤沢ファンのぼくには何 …
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